海外コンペティションへの挑戦
挑戦のきっかけ
2014年に個人としては初めてエントリーしたウェディングフォトアワードで金賞を受賞しました。
その時の周りの皆さんのリアクションに色々なものを感じました。
いつも現場でお客様のためにチームとして仕事してるプランナーさんやヘアメイクさん、担当させていただいたお客様、応援していただく地元の皆様が、自分自身より喜んでくださっていたことが衝撃でした。
資格のない我々の仕事にとって、何らかのタイトルを獲得する意味と影響を身を以て感じた瞬間でした。
世界のウェディングフォトとの出会い
初受賞と時を同じくして、ある海外のフォトグラファーさん達と出会いました。37Framesという東京在住のオーストラリア人女性フォトグラファーユニットのTraceyとDee。
彼女達は既に海外コンペティションで数々の賞を受賞し世界中で活躍していました。彼女達の作りだすPhotographyはまさにアートで、それまで全く知らなかった世界ではあるものの、自分の道の先にある世界なのかもしれないという確信を得たのです。
そう思いながらも、まさに雲の上の存在だった彼女達Master Photographerの写真と自分の写真には根本的な何かが違うと感じ、すぐにはコンペへのチャレンジには至りませんでした。
その後、彼女達主催のワークショップなどに参加をし、そのテクニックやマインドを伝授していただいたおかげで、コンペティションに挑戦する意義を知ることになります。
そして入賞へ
そして2017年6月、愛媛県人としては初、日本人としても2人目のAsiaWPA(Asia Wedding Photographers Association)での入賞を果たします。
そして翌年には世界最大級の写真家団体WPPI(Wedding & Portrait Photograohy International)でもAnnual Print Awardに初入賞を果たします。
以降、年間数十点がコンスタントに入賞し、2018年には日本人として初のAsiaWPA Elite memberに、WPPIも4人目となるAssociateに昇格しました。AsiaWPAでは2018年のPhotographers of the year 20のファイナリスト50名にもノミネートされました。2019年には欧州のWPE Award にもエントリーし、これまで13点が入賞しています。
挑戦することの真意
海外コンペティションへのチャレンジにはいくつかの側面において重要な理由があります。
コンペティションの結果を得ることができれば、タイトルホルダーとしてフォトグラファーの価値を上げるため、即ち自分の写真価値を高めることによりビジネス面での集客と価格の向上を図ることができます。しかしそれはあくまでのチャレンジの副産物にしか過ぎず、実はチャレンジそのものに大きな意味があります。
国内のフォトアワードやコンテストなどと明らかに違う点はそのジャッジ方法です。
国内のコンテストの場合、数名の審査員の主観的な選出によるものが多く、メーカー主催の場合は取引の多少も関わってくるようないわゆる「忖度」がなされる場合もあります。
しかし、私が挑戦している海外コンペティションに関してはジャッジ項目が細かくあり、多くの目の肥えたジャッジの元非常に公平な採点がなされます。そして入選しなかった全ての作品に対しても講評をいただくことができます。この講評こそが自分の課題であり最大のヒントになるわけです。
コンペへのチャレンジで得られた課題やヒントは、すぐさま次の現場に活かすことが出来、インプットとアウトプットを繰り返すことで、自身の技術ベースが上がっていくわけです。
「写真」と「フォトグラフィー」
お客様への価値向上、それは「写真」が短かになり誰でも簡単にそこそこ綺麗に撮れる現代だからこそ、我々プロフォッショナルが報酬をいただいて撮るものが「写真」ではなく「フォトグラフィー」というアート作品としての価値の向上を意味していると考えます。
あなたが結婚や成人式、子供さんの成長の記念写真をプロに依頼しようとした時、もはや金額で写真スタジオやカメラマンを選ぶ時代ではありません。
出来上がった写真を見て後悔しないためにしっかりとクオリティを見極めて「誰に撮影してもらいたいか」という視点で選んでいただきたいと思います。